そのウォールステッカー安全ですか？

RoHS指令とウォールステッカーの安全性について検証する

RoHS指令とは、6種類の有害物質を使用することを禁止するEU指令です。

• 鉛(Pb)
• 水銀(Hg)
• カドミウム(Cd)
• 六価クロム(Cr(Ⅵ))
• ポリ臭化ビフェニール(PBB)*
• ポリ臭化ジフェニールエーテル(PBDE)*

私たちWOLFINGの扱うステッカーやスキンシールには、鉛及び鉛化合物をはじめとするRoHS指令対象物質を含有していません。

では、鉛及び鉛化合物の持つ有害性ってどんなものなのでしょうか？

環境中の鉛による健康影響について-モダンメディア　55 巻 4 号 2009［食品衛生と環境衛生］より

 

鉛の毒性は、古代より確認されてきた。医学の 父や疫学の祖と呼ばれるギリシャの医師ヒポクラテスは、紀元前 370 年頃に、金属精錬作業者の腹 痛の原因が鉛中毒であることを指摘している 。以 下、国際がん研究機関（IARC）がまとめた最新の評 価書 を中心に、体内動態、非発がん影響、発がん影響について概説する。

 

1.体内動態

ヒトや動物において、鉛は吸入あるいは経口摂取によって体内に吸収される。 新生児や小児は、成人より鉛の吸収率が高い。

 

2.非発がん影響

鉛化合物による中毒の典型的な臨床症状は、 衰弱、興奮、無気力、吐き気、便秘を伴う腹痛、 貧血である。

低濃度の鉛に 長期間曝露すると、低分子量のたんぱく質とリソソーム酵素の尿中排泄量が増加する。高濃度の鉛 に長期間曝露すると、間質の線維化、糸球体の硬 化、尿細管の機能異常をもたらし、最終的には慢 性腎不全になる。鉛は腎障害に続いて高血圧を引き起こす。

鉛による神経毒性では、小児は成人よりも影響を受けやすい。

近年、行動に関する影響が注視されている。鉛への曝露が、注意力に関する機能 障害、攻撃性、非行に関連していることが確認されてきている。

また同様に、胎児の鉛への曝露が、軽度の 先天性異常、低体重児出生、生後の発育速度の低下 に関与している。

 

3.発がん影響

特定の無機鉛化合物については、実験動物において発がん性を示す十分な証拠が入手できることか ら、国際がん研究機関（IARC）は無機鉛化合物をグ ループ 2A（人に対しておそらく発がん性がある）に 分類している。

鉛および有機鉛化合物については、 発がん性の報告が不十分で評価できないことから、 鉛をグループ 2B（人に対して発がん性があるかも しれない） 、有機鉛化合物をグループ 3（人に対す る発がん性については分類できない）に分類してい る。

鉛は古くからさまざまな用途に使用されてきた金 属であり、労働者の鉛中毒は大きな問題であった。

 

おわりに

一般環境における曝露では労働環境ほどの重症例はないが、幼児が剥落した塗料のかけらを食べること による中毒、特に感受性の高い子どもの知能の発達の遅れなどが問題となり、水道鉛管の代替化、家庭用塗料中の鉛添加の禁止、有鉛ガソリンの禁止など の措置がとられてきた。

抜粋ですが、このように書かれています。

鉛及び鉛化合物は、特に幼児や小児に影響があるということがよく分かります。

ステッカーの素材となるビニールは「塩ビ」というものです。

「塩ビ」とは、ポリ塩化ビニルの略ですが、材料は何から出来ているのかというと、

石油化学からのエチレンとソーダ工業からの塩素を合成して中間原料の二塩化エチレン（EDC）とし、これを熱分解して塩ビモノマー（VCM）をつくります。この塩ビモノマーから塩ビ樹脂（PVC）を生産しています。

塩ビ工業・環境協会の資料より抜粋

と書かれています。

つまり、石油（ガソリン）と塩素を合成して作っているのですね。

危険性はここです。

ステッカーの素材となる塩ビに有鉛ガソリンが含まれている可能性があること、

それから色をつけるための塗料に鉛及び鉛化合物が含まれている可能性があること

この２点です。

私たちWOLFINGの提供するステッカー各種は、RoHS指令対象物質を含有していませんが、安いステッカーやウォールステッカーなどはどうなのでしょう？

残念ながらRoHS指令ではRoHS適合であることを示す手段については規定されていませんが、多くの製造業者は独自に「RoHSマーク」を導入しているようです。

例えば、100均で販売されているウォールステッカーにRoHSマークは付いているのでしょうか？

実際に100均に行って商品を調べてきました。

100均で購入したウォールステッカー

100均で値段も100円〜300円とあり、種類も色々ありました。

今回購入してみたのはこちらのデザインです。

100均で購入したPari風なデザインのウォールステッカー

箱に入っていてしっかりしています。

使い方の説明などもあり買いやすい商品になっています。

注意事項をじっくり見てみました。

色々と注意事項が書かれていますが、やはり残念ながら「RoHS指令」に関連する記載は一切ありません。

特にウォールステッカーは、家の中で使用するものですし、きっと何年もの間貼ったままでしょう。

子ども部屋にウォールステッカーを貼ることだって多いことだと思います。

しかし、何年もの間壁に貼り続けているウォールステッカーに、鉛及び鉛化合物が規制以上に含まれていた場合、健康への影響がとても心配です。

RoHS指令に準拠した「安心」「安全」なステッカー、ウォールステッカーをお選び頂くことを強くお勧めします。

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